Gulplug

スマートプラグで充電器業界にイノベーション - Altairスタートアッププログラム

スタートアップ企業の開業資金は限られているため、いつでもソフトウェアに多額の予算を費やせるわけではありません。そのためAltairは、スタートアップのテクノロジー企業を支援する目的で、各種シミュレーションやIoT、HPC等のソリューションを手頃な価格で利用できる独自のスタートアッププログラムを提供しています。

e-モビリティ産業が今日最も先駆的な業界の一つであることは疑いようもなく、電気自動車、モーター、新型電池、自動運転技術、充電技術などを開発する企業やスタートアップ企業は、イノベーションの最前線にいると言えます。フランスのグルノーブルに本社を置くスタートアップ企業のGulplug社も、そうした先駆的企業の一つです。Gulplug社は、2014年にシュナイダーエレクトリック社のスピンオフとして発足しました。電気自動車やプラグインハイブリッド車に用いられる給電プラグや充電技術に大変革をもたらし、業界にイノベーションを巻き起こすような新製品を開発するため、Altair Flux™とAltairスタートアッププログラムの活用を決めます。

人々のための自動装置: クリーンモビリティに最高の快適性を付加

Gulplug社は、電気機械類の接続に画期的な磁気技術を応用することで、クリーンテック分野とクリーンモビリティ分野という2つの異なる分野に取り組んでいます。クリーンテック分野においては、工場やプラントのエネルギー効率を高めるために、ワイヤレスでバッテリーレスの電源内蔵エネルギーセンサーによってエネルギー消費を監視、分析、節減するモニタリング機器を開発しています。Gulplug社の非常にシンプルで使い勝手の良いソリューションは、エネルギーを賢く効率良く消費することに役立つため、コストの大幅削減につながります。

第二のビジネスであるクリーンモビリティ分野では、自動接続式のコンダクティブ充電システムの開発により、電気自動車の新たな給電手段を提供しようとしています。このクリーンモビリティ分野での開発プロセス促進のため、仮想モデルの作成と解析によりシステム性能を予測・改善するシミュレーションツールを探していました。最終的にGulplug社は、Altairのスタートアッププログラムを利用してAltairのツール一式を導入し、予算内でFluxを活用しています。Fluxを用いて開発されたGulplug社の画期的なe-モビリティ技術はシンプルな自動接続式の充電ソリューションで、車を充電するためにプラグを差し込む必要のない素晴らしい快適性と操作性を提供します。

「プラグを差し込むことくらい大した手間ではない、と言う人もいるかもしれません。私も携帯電話などのデバイスをコンセントに繋いだりしますから、車を充電するためにプラグを差し込む必要があるのなら、そうすれば良いだけなのでしょう。しかし、ある自動車メーカーが行った調査によると、プラグインハイブリッド車に関して言えば、所有者は最初の数回は充電しても、車の運転に必須ではないため、それ以降やめてしまうことが明らかになりました。結果として、車は内部電源を使用しないで排ガスをまき散らすようになります。プラグインハイブリッド車の所有者は電気駆動のメリットを生かしていないのです。我々の発明品を用いれば、車の充電プロセスが自動化されるため、こうした問題は完全に払拭されます」と、Gulplug社のCEOであるXavier Pain氏は説明しています。

Gulplug社の充電器は、自分で車のプラグを差し込まなくても使用できます。自動車はどんどん自動化され、恐らく今後1~2年のうちには自動駐車が可能になるでしょう。そうすれば、自動充電機能もきっと必要になってきます。「次に購入する車に自動駐車機能が付いているなら、自動接続の充電機能も付いているべきです。それが我々のソリューションによって実現するのです」とXavier Pain氏は話しています。

「Fluxを使い始めて2年になります。以前は2Dシステムを使用していましたが、Fluxは3Dソリューションだったので切り替えました。Fluxのおかげで製品を早期に市場へ投入できるようになり、あらゆるパラメータを考慮できるので、我々の技能も大幅に高まっています」

Xavier Pain, CEO gulplug

すでに自動車業界には非接触式の充電ソリューションもいくつか登場していますが、それらは電磁誘導を利用するため非常に高価であり、供給電力も限られています。一方、Gulplug社の磁気を利用した最新の自動接続式コンダクティブ充電ソリューションは、価格競争力に優れ、大電力化が容易であり、HF放射の問題も全くありません。

Fluxを用いた次世代充電技術の開発

Gulplug社の開発したSelfplug®は直径約50cmの地上コネクターと、車に装着する車両プラグで構成されています。充電するにはプラグを地上ユニットの中心部にピッタリ合わせる必要があるのですが、Gulplug社はプラグをデバイスの中心部に誘導して固定するため、電磁気と永久磁石と組み合わせたソリューションを開発しました。

Fluxを使って全ての磁気問題をモデル化することにより、プラグが適切な位置に誘導、挿入され、動作することを確認できました。Altairのツールは、プラグを誘導する電磁力の発生に必要なデバイス内部のコイルのサイズと位置を決定することにも役立ちました。こうして、電磁力の発生場所、プラグの開発、そしてそれをソケットに固定する方法についての指針をFluxから得られました。 エンジニアは今もモックアップを作成して、Fluxの結果を検証するための試験を行っています。コストのかかる試作に取り掛かる前に、ソフトウェアツールでデバイスのモデルを簡単に作成し、顧客や自動車メーカー、装置サプライヤーと簡単に共有できます。

Selfplugは直径約50cmの地上コネクターと、 車に装着する車両プラグで構成されています。

Gulplug社が開発した画期的かつシンプルな自動接続式の 充電ソリューションは、電気自動車の所有者に対して 素晴らしい快適さと操作性を提供します。

Altair Fluxは、デバイス内部のコイルのサイズと位置の決定にも 役立ちました。

About Gulplug

フランスのグルノーブルに本社を置くスタートアップ企業Gulplug社は、2014年にシュナイダーエレクトリック社のスピンオフとして発足しました。電気自動車、モーター、新型電池、自動運転技術、充電技術などを開発するイノベーションの最前線にいる先駆的企業の一つです。